レプトスピラ症とは
レプトスピラ症は、感染症法で第4類感染症に指定されている細菌性人獣共通感染症で、 人にも感染する可能性があり、注意が必要な病気です。
レプトスピラ症とは、レプトスピラという細菌に感染した野生動物の糞尿が含まれた水や土壌を触ることで感染する人獣共通感染症です。
ネズミなどのげっ歯類が多く保有していて、糞尿と一緒にウィルスが排出、その糞尿で汚染された水や土を触ることで、傷口や粘膜から感染、または汚染された水や食品を食べることでも感染します。
感染すると、腎臓や肝臓で増殖します。
感染後、3~14日の潜伏期間があり、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・腹痛などの症状がでます。風邪のような症状から黄疸・出血・腎不全などの症状が出て重症化することがあります。
レプトスピラ細菌は、淡水中や湿った土壌の中だったら数ヶ月生存することができます。
70代の男性がレプトスピラ症で死亡
今回、沖縄県内の70代男性が、レプトスピラ症により亡くなりました。
今月5日、八重山保健所管内に住む70代の男性が発熱や腎不全の症状を訴え入院しましたが3日後に死亡しました。
感染し死亡『レプトスピラ症』 動物の尿を経由し感染、対策と注意点は?
レプトスピラ症が疑われたことから検査をしたところ今月12日感染が確認されました。
重症型で適切な治療がされなかった場合は致死率20~30%とのことです。風邪のような症状から始まるようなので「きつい風邪にかかったな・・」と油断して自宅で寝ていると、重症化し手遅れになりかねない恐ろしい感染症です。
「猫はレプトスピラに対して抵抗があるから大丈夫」と言うのは間違い
昔は猫にはレプトスピラに対して抵抗があると考えられていました。それは重症化しないだけで保菌動物としてレプトスピラを拡散はします。
外猫はレプトスピラを媒体する代表のネズミを捕食します。オーストラリアのクリスマス島の野良猫は、ネズミよりも高いレプトスピラ保有率だったそうです。
野良猫の糞尿も危険
ネズミなどのげっ歯類がレプトスピラ症に感染し媒体になることが多いことが分かっています。野良猫もそのネズミを捕食する可能性は充分にあります。
野良猫の「プトスピラ症」感染率を調査した資料が沖縄県のサイトにありました。
結果は以下の通り
名護保健所管内:3.7%感染
石川保健所管内:6.5%感染
コザ保健所管内:1.9%感染
という感じで、想像よりも遥かに高い割合で沖縄県の野良猫はレプトスピラ症に感染していることが分かりました。
レプトスピラ症に感染した猫と喧嘩したまわりの野良猫、感染した猫の糞尿が粘膜に接触してしまった野良猫、感染した猫と交尾した猫も感染してしまいます。
繁殖期にはよく猫の喧嘩の鳴き声を聞きますので、かなり感染拡大の可能性は高いんじゃないでしょうか?
当然、これらの野良猫の糞尿を触り傷口や粘膜から人間も感染する可能性があります。そして最悪死んでしまう感染症です。
野良猫の糞尿被害
野良猫の糞尿被害にあっている方はたくさんいると思います。被害者は泣き寝入りと我慢を強いられています。役場に連絡しても何も解決しません。
役場は、野良猫に餌を与える人や、飼い猫を放し飼いしている人たちに「お願い」しか出来ません。
野良猫の糞尿からレプトスピラ症に感染し死亡者が出るまで動いてくれないんだろうな。
その他、猫から人間に感染する感染症
レプトスピラ症以外にも猫から人間に感染する感染症はたくさんあります。障害が残ったり最悪死に至るものもあります。
狂犬病 | 恐水症や錯乱などの神経症状、発症するとほぼ100%死亡 |
パスツレラ症 | 皮膚の受傷部の腫れや痛み、肺炎などの呼吸器症状 慢性の気管支炎の人は、この菌を吸い込んで呼吸器感染症となり慢性化することもある。 |
皮膚糸状菌症 | 皮膚のかゆみ、フケ、脱毛 丸い赤みや水ぶくれ |
猫ひっかき病 | 2 週間の潜伏期間の後、引っ掻かれたり、咬まれたりした部分が発熱し、数週間から数ヶ月続くリンパ節の腫脹。稀に脳症を併発 |
トキソプラズマ症 | リンパ節が腫れる 妊娠が感染すると流産や胎児の先天性障害(脳症、水頭症、発育不全など)が起きる場合がある。 |
Q熱 | 潜伏期間がおよそ2~3週間で、症状は、発熱、筋肉痛、呼吸器症状などインフルエンザ様です。 心内膜炎を主な症状とする慢性型に移行する場合もあります。 |
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症 | 発熱や倦怠感、重症になると敗血症や髄膜炎。 意識混濁にまで陥り、最悪命にかかわることもあります。 |
サルモネラ症 | 8~48時間で、腹痛、下痢、発熱などが起こり、重傷になると粘血便を排泄します。 |
カンピロバクター症 | 1~7日で、発熱、倦怠感、頭痛、めまいなどが起こり、次いで吐き気、腹痛が起こります。 |
回虫症(幼虫移行症) | 虫卵が腸の中でふ化し、回虫の幼虫が肝臓・眼・神経など全身の内臓に移動して、視力障害、運動障害、肝機能障害などが起こる場合があります。 |
クリプトコックス症 | 中枢神経症状(髄膜炎、脳炎など)を起こす場合があります。 その他、ニキビ・様皮疹・毛包炎・潰瘍肉芽腫・ぶどう膜炎など。 |
重症熱性血小板減少症(SFTS) | 発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状。 重症化すると死亡。 |
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 | 最近死亡例が報告された感染症 咽頭痛、咳、扁桃や咽頭への偽膜形成や白苔が見られる。重篤化すると呼吸困難を起こし、死に至ることもある。呼吸器以外に皮膚病変やリンパ節腫脹などの症状が出ることもある。 |
リステリア症 | 脳脊髄炎、敗血症 |
エルシニア・エンテロコリティカ感染症 | 胃腸炎、下痢 |
仮性結核 | 胃腸炎、虫垂炎 |
かいせん | 皮膚の強いかゆみ、脱毛 |
細菌性赤痢 | 発熱、下痢、急性大腸炎 |
カプノサイトファーガ症 | 人では風邪のような症状で重症化すると敗血症や髄膜炎などが起こることがあります。動物は無症状です。 |
重症熱性血小板減少症候群 | 発熱や消化器症状、神経症状 |
猫回虫幼虫移行症 | 回虫が体内を移動し、行き着く先が目なら斜視や失明、肺なら喘息になることも。初期症状として、下痢や吐き気が起こる場合もあります。 |
瓜実条虫症 | 下痢やおう吐をすることがあります。 |
コメント